FONTPLUSでは、フォントに関する取り組みとして、学生支援活動や活字文化の継承活動を行っています。
「8つのアート1つのハート」というキャッチフレーズを掲げ、芸術総合学部の特色を活かした独自の教育を実践している日本大学芸術学部の学科共通授業にて、2022年7月7日(木) に“フォントおじさん”こと弊社Webフォントエバンジェリスト 関口 浩之が特別講義を行い、「フォントの適材適所」をテーマにお話いたしました。

受講学生からの感想

この講義に参加された学生からたくさんのご感想・コメントをいただきました。
一部をご紹介いたします。

・Kさん
探し出したらキリがないのではと思ってしまうほど、フォントは種類が豊富ですが、フォントによって生まれる印象やイメージはそれぞれ異なるので奥深いなと感じています。デザイン全般に対して言えてしまうことですが、今までの私は「フォントや色なんて、結局は制作者の好み次第じゃないの?」と思ってしまっていました。しかし、自分の趣向に頼るのではなく客観的にみて分析することが、クリエイターには求められているのだと考え直しました。授業内で学生がzoomのリアクション機能を使ってフォントを選ぶ場面がありましたが、ある程度ばらつきがあったことにデザインの面白さを感じました

・Yさん
講義の中で、まず驚いたのが「人間の脳は0.1秒で好きか、嫌いか、見やすいかどうか判断しています」という言葉。確かに言われてみれば、街にある宣伝ポスターでも、渋谷駅のハチ公あたりにあるものは嫌でも目に入るが、色々な家に貼ってある学習塾のポスターは全く目に入らない。この違いを考えたときに、駅のポスターのような「見るもの」であれば大きな字で短く。逆に、家のポストによく入っている「読む」広告なら、小さな字で情報を多く詰め込む方が良いだろう。つまり、シチュエーションに応じたフォントの選び方が大事なのだ。

・Tさん
フォントおじさんの講義を受けて、まず印象に残ったことは「この人、面白い人だな」ということだ。
いざ講義を聞いてみると、フォントについて学び、フォントについて考えさせられるものだった。それぞれのフォントには、作り手の意図があると思うと、面白いなと思った。
あまり日常でフォントに意識を向けることがなかったが、文章を読む際、明朝体の凸凹感が、読むリズムを生むということに軽い衝撃を受けた。
当たり前のように接している文字に対して、ここまで情熱を持って、アツく語る人がいるということを知り、とても考えさせられたし、自分への刺激にもなった。今後の生活や、考え方に、活かしていければなと思う。

・Mさん
フォントはシーンや情感などの情報を正確に伝える手段であり、何を選んでも正解だということを学びました。どんなフォントを選ぼうと自由だというのはアートとして作品を作っているうちのお話で、雰囲気や特徴を捉えてそれを文字で正確に表現できるということが文字でお仕事をするということなのだということがわかりました。バラエティなども意識して見てみると、たった一文の中に数種類のフォントを使って表現していることもあって、番組の内容がしっかり伝わってくる文字の使い方に感動しました。

・Sさん
フォントの世界、奥深いと思いました。フォントの種類によって、明るい、しっかりしている、男性が好きそう、女性が好きそう、などの情報や感情が、パッと見た時の印象だけではっきりとわかるので、広告業界にとってフォントの役割は大きいのだなと思いました。書体だけでなく字幅なども自分で選択できる自由度の高さも楽しそう。ウェブフォントというものも初めて知ることができました。ひらがな、カタカナ、漢字などの様々な文字がある日本はフォントを愛でるのにぴったりだと思うので、これからいろんな場面でフォントに注目していこうと思いました。

「日本大学芸術学部 芸術総合講座Ⅱ(広告企画実務)」について

芸術総合学部の特徴を生かし、多メディアにわたる広告表現教育と、企画力のある人材育成を目的にした講座。
広告コミュニケーションの「いま」を理解した上で、広告の発想・企画から実際までを総合的・多角的に学びます。
専任教員・非常勤講師に加え、広告の企画や制作に関連する様々な現場で活躍する第一線の方々をリレー形式で招き、ケース・スタディーを通して充実した授業を展開します。

講師プロフィール

関口浩之 (Hiroyuki Sekiguchi)

1960年生まれ。群馬県桐生市出身。現在、SBテクノロジー株式会社でWebフォント・エバンジェリストとして活動しつつ、フォントの魅力や楽しさを伝える伝道師「フォントおじさん」として広く一般に知られる。
1980年代にワープロやプリンタの製品開発に従事した後、1995年にソフトバンク技研(現SBテクノロジー)へ入社。Yahoo! JAPANをはじめ、数々の新規事業に参画した後、2011年にFONTPLUSを立ち上げ、フォントメーカー14社と提携したWebフォントサービスを運営。情報処理や印刷関連の専門誌、フォント関連書籍の記事執筆多数。大学や専門学校での特別講師も務めている。

Twitter:@HiroGateJP
Facebook:関口 浩之(フォントおじさん)
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